IVYポサリさんの日記 |
2014年02月18日 11:02
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「かんかん虫」が主役の小説を読む。
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横浜が舞台の本を2冊購入。片方はとても面白く、片方は4分の1でストップしたまま。
「かんかん虫」、横浜育ちの僕らの年代までは知っている人が多いと思う。
淺野学園出身の後輩に、
「淺野学園はね、淺野ドッグで働くかんかん虫養成所として設立したんだよ、知ってる」
「先輩、かんかん虫って何ですか?」
「浅野のくせに知らんのか、ドッグで船にへばりついたり、配水管の中に入ったりして、錆を落したりする作業員のことだよ。ハンマーを使って、カンカンやるから”かんかん虫”よ」
吉川英治の「かんかん虫は唄う」は明治中頃、日清戦争後の横浜が舞台。主人公のかんかん虫の少年が、居留地や中華街、根岸の競馬場や本牧の別荘地に出没して暴れまくる。
ハマの成金や謎の中国人、関内の芸者、異人、不良姉さん、元男爵の令嬢やハテは大隈重信伯爵まで登場、ちょっとハチャメチャなところはありますが、当時の横浜の様子が生き生きと描かれていた。吉川英治の幼少の頃を重ね合わせている部分もあるとか。
もう一冊は、神奈川大学が出版しているので、興味をひいて買った。明治の初・中期の職人達を描いているが、こちらは大学の先生で、現在は大仏次郎記念館の研究員。
横浜最初のパン職人(フランス人から教わって団子のようなパンを作る)の話など。残念ながらウチキパンではなかった(彼のところは日本初のイングリッシュパン)。学者の文章はどうも性に会わなかった。
学者が調べ、それを作家が脚色する(もちろん独自の取材や解釈を加えるが)。すると読みやすくなる。
作家の役割がやっと分りました。
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